【お薬としての野菜】じゃがいもの効用

7 月 3rd, 2009

 利用範囲の広いじゃがいもですが、ビタミンB1、Cが多く含まれて、しかもビタミンCは加熱しても破壊されないのが特徴です。他に、カリウム、鉄分、アミノ酸、微量ですが鎮痙作用を持つアトロピンなども含んでいます。ですから、効用も多く、胃・十二指腸潰瘍、便秘、高血圧、貧血、やけど、湿疹、しもやけなどに広く使用されてきました。このようにさまざまな使い方ができることから、本場ドイツでは、〝貧乏人のパン〟と呼ばれ、お隣のフランスでは〝大地のりんご〟といわれているそうです。

胃・十二指腸潰瘍にはすりおろし汁を

 じゃがいものビタミンCには粘膜浄化といった働きがあります。胃潰瘍などにこの薬効を利用すると、効果ありです。じゃがいもをよく洗い、皮をむいてすりおろします。それをガーゼでこして生のおろし汁を小さじ1杯朝晩2回、空腹時に飲みます。慢性的な便秘にも効果的です。

ドイツにも残っている黒焼きの効果

 胃・十二指腸潰瘍にじゃがいもを使う方法は、本場ドイツでも、日本でも同じとはちょっと驚きです。それは黒焼きにして用いる方法なのですが、じゃがいもを洗って皮をむき、厚さ1cmほどの輪切。にし、網で表面を真っ黒に焦がします。これを一日2~3枚食べるのです。
 ところで、じゃがいもの芽の部分には、ソラニンという有害物質が含まれていますから、除くことです。この物質は、食べるとめまいや腹痛などの中毒症状を起こしますから、できるだけ深く取り除きます。

高血圧、貧血症にじゃがいもエキス

 じゃがいもに含まれるカリウムは、塩分の成分であるナトリウムを抑える働きがあ。ますから、血圧の高い人や腎機能障害によるむくみのある人には、じゃがいもエキスがおすすめです。じゃがいもを洗い、皮つきのまま輪切。にします。それに1リットルの水を加えて煮立ててあくを取り、あくが出なくなったら約1時間ほど弱火で煮込み、煮汁をガーゼでこします。これを湯のみ1杯くらいずつ、朝晩飲みます。ただし、腎臓病で医者にかかっている人は避けること。
 血圧の高い人だけではなく、貧血ぎみの人や胃の弱い人も試しては。

湿疹におろし湿布
 湿疹には、じゃがいもをすりおろしてどろどろにしたものをガーゼにつけ、湿布をします。一日数回交換するといいでしょう。

やけどにもおろし湿布

 じゃがいもの消炎作用を利用した方法。すりおろしたじゃがいもを汁ごとガーゼにのばし、やけど部分にはります。乾いたら新しいおろし湿布と交換しますが、軽いやけどなら一晩くらいでよくなります。さらに、おろし汁に小麦粉と酢を混ぜると早くよくなります。

しもやけには焼きじゃがいも

 皮のままのじゃがいもを網にのせて焼き、表面が焼けたところで、二つに割ります。中の黄色い部分を練り、ガーゼにのばしてしもやけにはります。これも消炎作用の効果で早くよくなります。

ゴキブリ退治にポテトマッシュだんご

 来てほしくないお客さまといえば、台所のゴキブリ。来客としてのゴキブリも、性格があるようで、退治にはなかなか苦労します。ポテトマッシュにバター、牛乳を加え、ホウ酸を全体量の10%程度混ぜてだんごにすると効果抜群です。ぜひ試してみて。ただし、幼い子供が口にしない場所に置くことが大切です。

疲れた油のにおい消し
 揚げ油は1回使用したら捨てるという人がいますが、もったいないですね。捨てずに油の汚れや疲れを取り去って、再びさっぱりさせて使うようにします。それには、揚げ物の最後にじゃがいもを使うことです。じゃがいもの水分が蒸発するときに、油の中のにおいや煙を一緒に蒸発させてしまうからです。揚げたじゃがいもはつけ合せにするとむだがありません。もちろん、使った油はこし器でこして冷暗所に。そしていため物に使いきりましょう。

【お薬としての野菜】アスパラガスの効用

5 月 29th, 2009

20年以上前には、アスパラガスといえば缶詰のもので、白くて、歯ごたえがなく、ふにゃふにゃした野菜でした。それがいつのころからか、シャキッと歯ざわりのあるグリーンに変わりました。いまでは、生のホワイトのほうが貴重品といえましょう。グリーンアスパラガスが近年ぐ~んと主流になったせいかもしれません。

 アスパラガスが意外に新しい野菜だと思っている人が少なくありませんが、ところが、アスパラガスは、紀元前よりギリシャで薬として使われていたといわれています。新しいどころか、とても古い野菜だったのです。日本にも江戸時代には伝わっているのですが、食用とされたのが新しいということなのでしょう。それは明治以降からで、本格的には昭和で、さらに普及したのは戦後のことです。

 では、どうしてホワイトが姿を消すようになったのでしょうか。
 それは栄養面が考えられてのことのようです。というのは、ホワイトとグリーンの栄養を比べてみると、蛋白質、カロチン、ビタミンB2などがグリーンのほうに多いのです。それゆえに、グリーンのほうが積極的に使われるようになったわけです。あの鮮やかな緑色には、健康というイメージもありますから、そんな意味からも使われたのではないでしょうか。

 また、血圧を下げ、毛細血管を拡張するといわれているアミノ酸の一種であるアスパラギン酸は、この野菜から名づけられたものです。つまり、アスパラガスにいちばん多く含まれる成分だからです。中国では、このような薬効があることから、根を薬用として利用しているといわれています。その他、同じように血管を強化し、血圧を下げる働きをするルチン成分も含んでいます。ですから、アスパラの効用は、高血圧、スタミナ増強、浄血、利尿などといえましょう。

高血圧には煎じ液を飲む
 
アスパラギン酸、ルチンなど特殊成分が含まれていますので、高血圧、動脈硬化を心配なさっている人は予防のために煎じ液を飲むようにするといいでしょう。アスパラガス3~4本を水1ℓで半量になるまで煎じます。これを一日カップ2杯、数回に分けて飲みます。もちろん、特に血圧が高くなくても、血液浄化の目的で一日1カップずつを飲むなどしてもいいでしょう。

アスパラスープは利尿に
 腎機能が低下したり、膀胱炎で尿が出にくい人は、アスパラの利尿作用を利用します。スープにすると効果的です。毎日飲むようにしたいもの。
 スープにするときに切り落とした茎は、捨てずに利用を。薄く削ってあり合せとかき揚げに。

疲労回復に常食を 
アスパラギン酸には、血圧を下げるだけではなく、代謝を促進して疲労を回復させる働きもあります。ですから、暑さでスタミナを消耗したときには、アスパラを食べるに限ります。さっとゆでて、塩やマヨネーズだけで、ソテーやフライ、グラタン、ベーコンいため、あんかけなどにして食べるのも適しています。さっぱりより少しこってりぎみにして疲労回復をはかりましょう。

【お薬としての野菜】なすの効用

5 月 1st, 2009

 煮る、焼く、いためる、揚げる、漬ける、蒸すなど、どんな料理をしてもおいしく食べられる野菜がなすです。原産地はインドで、日本に伝えられたのは、奈良時代とか。歴史を感じさせる野菜です。栄養的には、蛋白質もカロリーもほとんどないので味はあっさりしています。油と相性がいいのもそのため。主成分は糖質で、ビタミンA、B1、B2、Cをほんの少量含んでいます。

 中国では昔から、熱を冷ます、身体を冷やす作用があるとされ、口内炎、はれものなどに利用されてきました。日本でも「秋なすは嫁に食わすな」とのことわざの解釈の一つに、なすには身体を冷やす作用があるから、嫁が秋なすを食べると、身体が冷え、子供に恵まれなくなると困る、ということがあります。

 ですから、高血圧やのぼせ性の人には向いている野菜です。また、痛みを止める、はれをとる作用もありますから、腰痛、歯痛、いぼに薬効があります。ただし、冷え性の人はたくさん食べると身体を冷やしますから気をつけて。それに、喘息の人やせきの出やすい人、のどを使う仕事の人も、多く食べると、せきがひどくなり、声を悪くしますので注意してください。

 なすは種類もいろいろですが、どれも天ぷらや油いためには適しますので、せっせと食べたいものです。

口内炎にはへたや皮の黒焼きを
 口内炎は、痛くても、なかなか薬がつけられないので困ることがあります。こんなときには、なすのへたの黒焼きを。炎症の生じているところから熱を取りますから、痛みがなくなります。
 なすのへた、あるいは皮でもいいのですが、よく洗い、アルミホイルで包んで黒くなるまで蒸焼きにします。これとはちみつを少量合わせて、口の中に含むか、痛むところに直接塗り込むのです。自然に口内炎が治ってきます。

はれものには切り口を当てる
 はれものができ、熱や痛みが出たときには、なすの切り口を当てて包帯をしておくと、熱や痛みが治まります。熱が冷やされますから、痛みもなくなるわけです。乾いたら、取り替えるようにしましょう。

へたでこするといぼコローリ
 子供にできるいぼは、早く治してあげたいと思うのが親心。ころり、となくなってしまえばこんなうれしいことはありません。では、毎日、なすのへたでこすってみてください。ころりとはいかなくても、コロ~リとなるはずです。お悩みの人は試してみて。

歯痛には黒焼きの粉末
 歯痛は突然やってきて、耐えられないほど痛くなるときがあります。真夜中などは困ります。なすの黒焼き粉末を、いざというときに。
 へたや皮を洗ってからアルミホイルで包み、真っ黒になるまで蒸焼きにします。黒くなったら手でつぶして粉末にして、ほんの少量を痛みのあるところに塗り込みます。ただ、これは応急手当てとして。できるだけ早めに歯医者にかかることを忘れずに。


高血圧症にはなすの常食を

 高血圧やのぼせ性の人はなすを食べるといい、と昔からいわれてきました。それは、なすの身体を冷やす作用や利尿作用を体験から生み出したからでしょう。血圧が高い、のぼせぎみの人は、なすを常に食べることです。
 焼きなす、なすグラタン、なすの煮物、なす漬けなど毎日一品ずつでも食卓にのせてみてはいかがでしょうか。すべて手間いらず料理です。ただ、なすにはあくがあるので、塩をふるか水にさらすかして抜くのがコツです。

腹痛にはなすの煎じ液
 おなかが痛い、下痢をしているといったときには、なすの煎じ液です。なすのへたを乾かし、乾いたものを100gほど、それに水300ccを加えて半量になるまで煮つめます。この煎じ液を飲むのです。食あたりで下痢をしたときもいいでしょう。

【お薬としての野菜】白菜の効用

4 月 28th, 2009

 冬のビタミン不足解消に欠かせない野菜が白菜。特に寄せ鍋、たらちり、豚ちりなど鍋物なら何にでも使えるのが便利。地域によっては、すきやきにも使われています。たしかに、淡泊な白菜に牛肉はよく合うもので、調べてみると、「腸胃を通利し、胸中の煩を除き酒渇を解す」と古書に記されていますから、すきやきにしても、他の鍋物にしても、理屈に合った食べ方といえるわけです。また、白菜の故郷は中国ですから、薬用としても用いられてきたにちがいありません。中国料理に白菜を使った料理が多いのも、薬効があるからではないでしょうか。白菜には、食物繊維が多く含まれていることから、整腸、便秘解消に効用があります。そして、身体の中の余分な熱を冷まし、おなかや胸がもやもやしているときに効果的です。

成分としては、ビタミンCが多く、カルシウム、鉄分、カロチンを含み、キャベツに近い特性を持っています。そういえば、学名を北京のキヤベツというそうですからキャベツの親戚なのです。

冬には白菜漬け、甘酢漬け、クリーム煮、者込み、スープなどでも利用できます。

便秘解消には白菜スープ
 おなかがはって、もやもやした感じのあるときには白菜の煮たものが消化によく、緩下作用により腸が整えられ、便秘も除かれます。スープにしょうが汁、お酒で味を調え、その中に刻んだ白菜を入れて、やわらかくなるまで煮立て、特に株のほうをたっぷりいただきましょう。
 おなかにいいだけではなく、尿の通りもよくする効果があります。

食欲増進にはさっぱりと甘酢漬け
 疲れて食欲がない、少し熱っぽくて食欲がない、といったときにはピリッと辛みのきいた甘酢漬けで食欲を回復させましょう。
 白菜をかるくゆでて、酢、とうがらし、砂糖、塩、しょうが、しょうゆを混ぜた合せ酢の中に漬け込みます。味をなじませる程度でよく、あまり長時間ではなく、4時間くらいを目安にします。また、ゆでてもほぼ生の状態ですから、胃が冷えやすい人、慢性下痢の人はたくさん食べないように気をつけてください。

二日酔いにはつき汁
 白菜の生のつき汁は、酒の毒を消す作用があります。二日酔いでのどが渇くときに飲んでみます。白菜をガーゼに包んでつぶし、しぼって汁をとります。これを盃1~2杯飲みましょう。

やけどにはつぶして湿布

 やけどの応急手当ての一つの方法です。やけどの手当ては早ければ早いほどいいわけですから、覚えておくと便利です。ただ、やけどもほんの軽傷で、範囲も小さい場合に限ります。
 白菜をそのままガーゼに包んで少したたいてつぶし、それをやけどに湿布します。野菜の冷やす力でやけどが治まります。

漆かぶれにどろどろ汁
 近ごろでは漆にかぶれる人も少なくなりましたが、でも机やたんすなど漆塗りのものがないわけではありません。万一、かぶれたときには、白菜をすり鉢でつき、どろどろにし、それを湿布しましょう。乾いたら取り替えるようにします。